2020年 1月号 C項

ディベート&ディスカッション中心の英会話学校

2020年 1月号 C項

Communication: Topic and Outline
毎月行われているYYクラブのディスカッションの概要(英訳と日本語訳あり)

一昨年春、文部科学省が教育改革を2020年に向けて推進することを宣言し、これに向けて動きつつあります。即ち、「これまでの情報伝達教育から、考えさせる教育を行う」ことを! これに先立つこと、10年前、当方は、母校である東工大に機会を得て{東工大の国際化」の提言を行いました。大いに関連しますので、ここに掲載させていただきます。
ただし、本提言は添付資料を含めると100ページ以上となるためこれを避け、本文のみ紹介することとします。それでも、数回に分けて行うこととします。関心のある方は付き合いください。

東工大・トップへの提言「東京工大の国際化」についての関連調査結果から概要紹介:今回はその9回目となります。

この提言では、初回(H29年2月号)には「学長に提言をするため、最初に提言(結論)」を述べています。今回は各論として昨年の1月号に続き、検討したことを徐々に述べます。なお、引用している「東工大の国際化」への提言は2009年に発信した物ものです。

今回からはからは一流大学の国際化の取り組みを紹介していますが、約9年前ですので、一部は既に実行されてているものと思われます。次回、どの程度実施されているか調べてわかる範囲で紹介したいと思っています。
II. 日本の教育全般のシステム改革への検討
1.日本の将来に向けどの様な人材が必要か
1.1 世界の諸問題
1.2 世界の大学の動き(大学改革)
1.3 日本人が世界から求められるもの。未来への新たな産業およびシステム構想
1.4 日本人はどのように世界に貢献し、世界でどのように活躍すべきか
1.5 そのために人材を如何に育てるべきか
2. 日本の大学への改革提言
2.2 日本の教育全体に占める大学教育の位置
2.3 日本の教育システムの問題点
2.4 日本の教育システムのあるべき姿
2.5 大学生卒業生の現状の問題
2.6 日本の大学の国際化への取り組みとあるべき姿 (今回はこの項です)(特に、国際化および教育について)概要紹介
2.7 日本の大学の国際化への取り組みとあるべき姿
2.7.1 日本の大学の国際化への取り組み

最近、前福田内閣では「留学生30万人を受け入れる(現在は約12万人)」と公約しているが、添付資料#0に示す「留学生は大学改革で」とのコメントがあるように「大学の内容を充実させることが先」との留学生側から当然の意見がある。国際化と言っても安易にはできない。そこで、現在、新聞等で報道されている情報を基に、既に国際化に取り組んでいる大学とその国際化の授業内容と問題点を紹介する。
2.7.2 大学の国際化への問題点
以下は項目(2-2)まで、11月に議論されたことであるので項目のみ記す。
(1)国際化について:
最近のグローバル化の状況下において、日本の大学や研究機関はさらに下記のような条件で国際化されなければならない。
・外国人教授をもっと多く受け入れる。段階的に増やすことで、初めは10%を目標とし、最終的には(10年以降)少なくとも約
20%は外国人教授で構成する。(現状は東大でも約2%)
 ・学科により授業を英語を使って行う。
(2) 国際化しなければならない理由:
(2-1)日本全体の国際化
日本はグローバル化が叫ばれて既に10年以上が経っている。輸出企業や商社など関係者を除き、依然、ドメスティックであると言わざるを得ない。以下は今月として述べる。
 (2-2)大学での国際化
大学教育の場合は状況が異なり、研究一つ例に取っても、クリティカルシンキングや多様性の中から選択し研究を進めることが重要となる。つまり、日本人だけの大学の教育では世界的視野から遅れてしまう恐れがある。また、クリティカルシンキングを行ったり、他人と意見を交換する教育は現在の受験体制での情報伝達主体の教育では不可能である。しかし、大学がこのことを理解し、率先して示すことが重要である。また、単に語学だけの問題でなく、日本の将来をどのように導くかのビジョンを策定する上でも国際化はベースとして必要となる。従って、國際化が必要な場として、また先陣を切る意味で大学が国際化を図るべきと考える。
 1) 日本の大学はほとんど日本人のみの大学であった。(日本人による、日本人のための大学)留学生の数は最大でも約4%で、国際化はなきに等しい。グローバル化に対応するには、多様化に対応できる人間形成が必要である。
2) 「井の中の蛙にならない」ようにするには他文化との接触により、多様な、より広い意見やアイディアが出てくることが必要である。より広いクリティカルシンキングを実施させる。大学が率先して国際化し、そのメリット(多様性が優位であることを証明し)を実証し、国際化が国民全体に波及するため、そのさきがけとなることが必要と考える。
 3) そのため少なくとも、相手を十分理解でき、コミュニケーションが取れる人材育成が必要であるが、大学での教育にも必要不可欠である。大学から英会話を始めたのでは遅すぎる。全体の教育システム、特に英語教育については改革が必要と考える。
 4) 海外に活躍できる人材を育成するには、海外から優秀な人材を集め、互いに刺激し、交流することが必要である。
 5) 大学の質と内容を高めるためには、ある程度の生徒数を確保(経営上でも)する必要がある。ただし、あまり生徒数を増やしすぎると質の低下を来たす恐れがあり、バランスが必要である。
6) 大学として経営を成り立たせる手段として留学生を少しでも多く受け入れる必要がある。このためにも国際化は必要となる。ただし留学生の質を問う必要がある。しかし留学生側にも選ぶ権利があり東大といえども容易でない。(資料#11参照)
 7) 日本の産業発展のため、次の産業を振興する。このためには国際的人材が必要となる。
・ 観光立国(前福田内閣に観光産業庁が設置され、)今後これを目標に進める。
 ・ 国連等海外国際機関での活動を振興する。特に東アジアの発展途上国を支する。
・ IAEAなどの国際調査機関への活動(平和維持活動)を活発にする。
・ 地球環境保護のための調査研究、宇宙開発、エネルギー開発への貢献
 8) 社会人の再入学を促進する。中高年も再チャレンジできるシステムとする。米国では学部、修士など卒業後、社会に出てから再び入学し、さらに上の学位を目指す人は一般的である。日本のように大学受験後の進路を踏み外すとやり直しがきかないというシステムではなく、本人の希望によりいつでも学ぶことができる教育システムとする。