2019年 3月号 D項

ディベート&ディスカッション中心の英会話学校

2019年 3月号 D項

Debate: Topic and Outline
毎月行われているYYクラブのディスカッションの概要(英訳と日本語訳あり)

さて、昨年1月より本D項として取り上げるテーマは、「トランプ政権の特徴 および日本の外交政策への提言」として、日本を取り巻く世界情勢と日本の取るべき外交政策を取り上げて行きます。これは隔月(偶数月)に掲載する予定です。

内容項目は下記の目次に従って、述べて行きたいと考えます。

 

目次:「トランプ政権の特徴 および 日本の外交政策への提案」

1.はじめに

2.トランプ大統領の発想や言動の特徴

3.トランプ政権の特徴(体質)

3.1 ホワイト・ハウスの権力者の興亡

4.トランプ政権の政策運営とその特徴

4.1 国防費の増大と外交・援助経費の大幅削減

4.2 米国の国内問題

5.トランプ政権を生んだ背景とアメリカの構造的変化

5.1 米国民の意識変化(現・政権を生んだ背景)

5.2 トランプ政権への移行により外交政策はどのように変わるか

5.3 トランプ政権発足で、日米関係を支える人脈へ打撃

6.  日本との関係:

6.1 米国の対日・外交政策

6.2 新たな日本の外交政策・対米政策

7.世界のリーダーが不在の時、日本は世界に向かって何をなすべきか?

7.1 中国との問題解決

(1)中国は信頼できないか?

(2)東シナ海ガス田問題

(3)尖閣諸島の問題

7.2 ロシアとの北方領土問題

8. 新たな日本の針路

8.1 日本の心柱とは何か?

8.2 日本の心柱(外交姿勢)を支える日米同盟とアジアとの協力関係

9. 新たな日本のアジアとの外交政策:1本足打法から3本柱戦略へ(藪中案)

9.1 北朝鮮問題の解決

9.2 韓国との関係

(1)韓国の国民性

(2)韓国政府および国民の全体的意識

(3){日韓合意}が履行される可能性

(4)慰安婦、強制連行等:「被害者ビジネス」はなぜ横行するのか?

 

上記の各項目の内、既に6項まで終了しておりますので、今月から第7章を取り上げます。

 

7.世界のリーダーが不在の時、日本は世界に向かって何をなすべきか?

この問題について議論するには、先ず、下記の日本固有の外交問題を考えねばならない。

7.1 中国との関係(特に尖閣諸島の問題)(この項は既に1月号に記載してます。)

7.2 ロシアとの北方領土問題

 

今月は2項のロシアとの領土問題を取り上げます。

7.2 ロシアとの北方領土問題

2次世界大戦終了間際、ロシアとは相互に不可侵条約を結んでいたのもかかわらず、ロシア側から一方的に破棄され、ロシア軍は突如、日本の北方4島に侵攻し占領した。

その後、ロシアとの関係は平和条約締結に向け幾度も行われてきた。

1956年:当時の鳩山首相がロシア側と協議し、「歯舞、色丹島を返還する」ことに合意した。しかし、その後、交渉は進展せず、今日に至っている。ここでは、ごく最近の安倍内閣でのロシア大統領・プーチンとの交渉経過を見ることとする。

 

(1)201612月:日ロ首脳会談

解決への進展がマスコミで大いに期待され、楽観的予測がされていたが、実際にされた成果はなかった。ロシア側の厳しい対応が目立つ結果に終わった。しかも共同声明もなしとなった。

・外務省発表の会談概要:

「平和条約問題を解決する両首脳自身の真摯な決意を表明すると共に、4島において、共同経済活動を行うための特別な制度に関する協議の開始に合意した。

北方4島の未来像を描き、その中から、解決策を探し出す、未来志向の発想の「アプローチ」に基き、平和条約締結交渉の枠の中で、今後、協議していくこととなった。

 

(2)首脳会談が期待に反して、具体的成果の乏しい形で終了した原因

  • 日本側から:(日本の報道陣)北方領土問題への解決に期待が高まり、二島返還は当たり前で、さらにプラスを獲得できるかの観測が出て、ロシア側で警戒感を強めたと考えられる。即ち、両国間の主権についての考え方に相当の開きがある。
  • ロシア側:日本側の上記報道から、焦りを募らせ、警戒感を持ったと推察される。

・ロシアとしては二島返還だけでもロシア国内には困難がある。この他に、他の2島の主権を共に行使するという考えには驚愕したと思われる。

・ロシア側には主権を共にする考えはない。

・日本に島を返還すれば、「その島に在日米軍基地が置かれる」との疑念を持つ。

 

(3)解決のポイント

  • 北方領土解決に当たっては日ロ双方が受け入れ可能な解決策を見出すとの合意が双方に存在している。
  • 今後、4島での共同経済活動を進めること」が合意されている。

これは、この活動は日ロ間の信頼関係醸成の意味が大きい。根本的問題は領土問題解決と平和条約締結である。

 

(4)今後の期待:プーチンと安倍総理との協議に期待すること。

オバマ時代には米ロ間でクリミア問題等があり、米国には、日ロの接触に抵抗感があった。しかし、現在、トランプ大統領間では問題は少ないと見られる。

また、両国共、国内で強い政権基盤を持っており、かつ二人の関係が良好な今こそ、解決していくべきと考える。従って、合意事項に従い鋭意接触し、交渉や工程を進めるべきである。